2009 Fiscal Year Annual Research Report
深紫外混晶半導体における高密度励起子系の光物性評価と光機能性
Publicly Offered Research
Project Area | Optoelectronics Frontier by Nitride Semiconductor -Ultimate Utilization of Nitride Semiconductor Material Potential- |
Project/Area Number |
21016005
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山田 陽一 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (00251033)
|
Keywords | 窒化物半導体 / 混晶局在系 / 励起子 / 振動子強度 / 発光ダイナミクス / 輻射再結合寿命 / 偏光特性 / 格子歪 |
Research Abstract |
Al_xGa_<1-x>N混晶薄膜におけるAl組成比をx=0.37から0.95まで広範囲に変化させた10種類の試料を対象として、時間分解発光分光の測定を行い、局在励起子の発光ダイナミクスを評価した。発光寿命の発光エネルギー依存性では、発光エネルギーの減少とともに発光寿命は増大し、局在励起子に特有の現象を観測した。フィッティング解析により局在の度合いを表すパラメータと輻射再結合寿命を導出し、その混晶組成比依存性を解析した。その結果、両者はともにAl組成比の増大とともにx=0.61までは増大し、それ以上では減少することが分かった。特に、輻射再結合寿命は高Al組成側で急激に減少することが分かった。これは、AlNにおける励起子の振動子強度がGaNと比較すると一桁大きいために、高Al組成側での輻射再結合寿命の高速化に結び付いているものと考えられる。 次に、発光スペクトルの偏光特性を測定し、その混晶組成比依存性を導出した。バンド端発光における主な偏光成分は、Al組成比がx=0.68から0.81の間で、電界がc軸と垂直な偏光(c面内偏光)からc軸と平行な偏光(c軸偏光)へと入れ替わることが分かった。この偏光が入れ替わる際のAl組成比の値は、これまでに他の研究機関から報告されている値よりも大きく、その差異は混晶薄膜が含有する格子歪の大きさを反映したものと考えられる。そこで、Si添加によりAlGaN混晶薄膜が含有する格子歪の大きさを変化させることができることに着目し、バンド端発光の偏光特性のSi濃度依存性を測定した。その結果、同一混晶組成比でもSi濃度に依存してc面内偏光成分とc軸偏光成分の強度比が変化することを明らかにした。
|