2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波プロセスを応用した機能性ガラス多孔材の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Microwave-Excited, High-Temperature Thermally Non-Equilibrium Reaction Fields |
Project/Area Number |
21017004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 健 東京大学, 環境安全研究センター, 准教授 (90435933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 敏宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10179773)
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Keywords | マイクロ波加熱 / 水熱反応 / ガラス / 貴金属微粒子 / 多孔質 / 触媒 |
Research Abstract |
本研究では、水熱反応を用いて作製した貴金属添加含水ガラスに、マイクロ波照射を行うことで、急速加熱発泡を促し、貴金属微粒子担持多孔質ガラスの作製を企図した。そこで、貴金属無添加の含水ガラスのマイクロ波加熱発泡挙動を調査するとともに、銀添加含水ガラスを作製した後にマイクロ波加熱を施すことで、銀微粒子を分散担持したガラス多孔材の作製を試みた。 (1)10~15mass%の水を含有したSiO2-Na2O-B2O3ガラスを作製し、2.45GHz、0.5kWのマイクロ波加熱装置を用いて、マイクロ波照射を行った。120~150℃にて各試料は膨張しはじめ、速やかな発泡を示した。水含有量が大きいほど急速に昇温するとともに、大きく膨張する傾向にあった。ガラス中の気孔径は10~100μmであり、マイクロ波照射前の含水量により制御可能であった。 (2)SiO2-Na2O-B2O3ガラスに酸化銀粉末を混合した後に水熱反応を施すことで、銀添加含水ガラスを作製した。このガラスに2.45GHz、0.5kWのマイクロ波加熱装置を用いて、マイクロ波照射を行ったところ、(1)の際と同様に急速な加熱発泡を示した。得られたガラスは黄色に着色しており、UV測定により350-500nmにて吸収を示した。またFE-SEMによる観察により、50nm以下の銀微粒子の生成を確認しており、マイクロ波加熱中にガラス中にて銀微粒子の還元生成が得られていることを確認している。この黄色に着色した多孔質ガラスは、p-ニトロフェノールの還元作用を与えた。 以上より、本研究により水熱反応-マイクロ波プロセスを用いて、銀微粒子を分散担持した多孔質ガラスの作製に成功した。今後、本手法を発展させ、貴金属ナノ粒子担持多孔質ガラスの新規作製手法を確立する。
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Research Products
(1 results)