2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機系廃プラスチックを利用した高効率レアメタル製造プロセス
Publicly Offered Research
Project Area | Microwave-Excited, High-Temperature Thermally Non-Equilibrium Reaction Fields |
Project/Area Number |
21017006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西岡 浩樹 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (80294891)
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Keywords | マイクロ波 / レアメタル / プラスチック / 炭素 / 高効率 |
Research Abstract |
本研究では、有機系廃プラスチックを利用した高効率レアメタル製造プロセスの確立に必要不可欠である、マイクロ波照射時における炭材の被加熱特性におよぼす炭材の粒度・結晶構造の影響について調査するとともに、代表的なレアメタル酸化物の被加熱特性について調査を行った。 (1) 被加熱特性におよぼす炭材の結晶粒径・構造の影響 炭材として、グラファイト、脱灰処理後に所定温度にて熱処理を行った備長炭を使用した。ラマンスペクトル分析により、各炭材の結晶性を評価した。その結果、熱処理温度の上昇に伴う黒鉛化の進行、すなわち結晶性の向上が確認された。 次に、マイクロ被波加熱特性におよぼす炭材粒径・結晶化度の影響について調査を行った。断熱材を充填した石英製の密閉容器に各試料を装入し、容器内をN_2ガスで置換した後、出力750Wで所定の時間(300s)マイクロ波加熱を行った。実験中の試料温度は放射温度計にて連続的に測定した。本研究で設定した粒度範囲(-45μm~125μm)においては、最も粒径の大きな90~125μmの粒度範囲を有し、かつ最も結晶性の良い炭材の被加熱特性が最も良好であり、加熱開始後15~20sで1000℃以上の温度に到達した。 (2) レアメタル鉱石の被加熱特性 代表的なレアメタル酸化物(WO_3, Co_3O_4, NiO, MoO_3)について、マイクロ波加熱による被加熱特性の測定を行った。Co_3O_4,NiO, WO_3は良好な被加熱特性を示し、いずれも短時間で1000℃以上の温度に到達したが、MoO_3は単独での明確な温度上昇は確認されず、炭素等、被加熱源となる物質の添加が不可欠である。
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