2010 Fiscal Year Annual Research Report
アタカマ1m望遠鏡によるGRB可視赤外撮像分光観測
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering the Ancient Universe with Gamma-Ray Bursts |
Project/Area Number |
21018003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本原 顕太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90343102)
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Keywords | ガンマ線バースト / 残光 / 近赤外撮像 |
Research Abstract |
2010年度は当初の予定どおり、透過型グリズムの制作を行い、フィルターホイール内へのインストールを9月に完了した。10月から行った観測ランでこのフィルターホイールを近赤外線カメラANIRの可視チャンネルに取り付け、試験観測を行うことに成功した。この観測では近傍の2型セイファート銀河NGC1068の銀河核のスリットレス分光を行い、Hα+[NII]λ6563Åと[OIII]λ4959/5007Åの輝線を同定することができた。波長校正を行った結果、波長分解能は当初の予定通りλ/δλ~30を達成していることが確認された。これにより波長校正の手法もほぼ確立できたため、今後ガンマ線バーストが発生した場合に即座にスリットレス分光を行い、高赤方偏移バースト(z>4)であれば赤方偏移の同定が可能となる。 これと並行してガンマ線バーストのフォローアップ観測を行い、GRB101023A,101011A,101017Aの観測に成功し、その結果をGCN(GRB Circular Service)への報告を行った。また、当初予定より半年の遅れが生じたものの、2011年3月に山頂と山麓サンペドロ・デ・アタカマ間の無線LANによるネットワーク接続に成功した。これにより山頂がインターネット常時接続され、リアルタイムでGRBのアラートを取得できるようになる。ガンマ線バーストの即時フォローアップ観測が可能となるとともに、GCNへの報告がリアルタイムで行えるようになる。更に2011年度中には山麓からのリモート観測への移行を目指しており、これによる観測効率の向上も期待できる。
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