2010 Fiscal Year Annual Research Report
星の元素組成から探るガンマ線バースト母天体と矮小銀河の進化
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering the Ancient Universe with Gamma-Ray Bursts |
Project/Area Number |
21018004
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂山 俊和 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (70211951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻本 拓司 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (10270456)
|
Keywords | ガンマ線バースト / 矮小銀河 / 超新星 / 元素合成 / 化学進化 |
Research Abstract |
矮小銀河にガンマ線バーストが多く出現するという観測結果が得られている。ガンマ線バーストの母天体と考えられているIc型超新星の爆発が非球対称であることに着目し、この点を考慮に入れた化学進化計算によって綾小銀河の化学進化モデルの構築を行った。軸対称超新星爆発の流体力学的計算を試験的にある特定の質量の星について行い、爆発時の元素合成計算も大規模核反応ネットワークを数値的に積分し行った。これによって各方向にどのような組成の物質が放出されるのかを爆発のエネルギーと異方性を表すパラメータ毎に計算することができる様になった。このモデルから得られた知見をもとに速度の速い物質は矮小銀河からも飛び出して、次世代の恒星の形成には関わらないとし、速度の遅い物質の組成のみ次世代の恒星に受け継がれるとして簡単なone-zone化学進化モデルを計算し、大マゼラン雲の恒星の表面組成と比較した。その結果、これまで謎とされて来たカルシウムの少ない恒星が非球対称な爆発を起した超新星の影響を受けている可能性を指摘した。
|
Research Products
(10 results)