2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノチューブ・III-V族半導体ヘテロ構造による電流誘起スピン
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
21019006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雄一郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60451788)
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Keywords | 単層カーボンナノチューブ / スピン物性 / ナノデバイス / スピントロニクス / 物性実験 |
Research Abstract |
2009年度はGaN上のカーボンナノチューブトランジスターの試作を中心に研究を進めた。 カーボンナノチューブ・III-V族半導体ヘテロ構造による電流誘起スピンの存在を検証するためには、ナノチューブに電流を流し、その電流中のスピン偏極度を測定する必要がある。カーボンナノチューブそのものの光学選択則はスピンによらないため、光学スピン検出は難しい。そこで、カーボンナノチューブから直接半導体電極へと電流を流しこみ、その電流中のスピン偏極状態を直接半導体の選択則を利用して検出するために、GaNを電極とした2端子の単一カーボンナノチューブトランジスターの試作に取り組んだ。まず、単一カーボンナノチューブをチャンネルとするために必要な成長条件を見出すために、Si基板上でバックゲート型カーボンナノチューブ電界効果トランジスターの作製と電気特性評価を行った。酸化膜付きSi基板上に電子線描画を利用して触媒を配置し、アルコール化学気相成長法によりカーボンナノチューブを合成したのち、ソース・ドレイン電極を作製し、電界効果トランジスターとした。一つのチップ上に百個程度の電極対を作製し、その電気特性測定を統計的に評価することにより単一カーボンナノチューブによるトランジスターに適切な歩留まりを達成するための条件を見出した。 次に、サファイア基板に有機金属気相成長されたGaN薄膜上での単層カーボンナノチューブの合成を試みた。カーボンナノチューブの合成は摂氏800度ほどの高温で行われるが、GaNならば直接その上に合成できる可能性があり、その場合は高品質で欠陥の少ないカーボンナノチューブを利用できる。触媒をGaN上に塗布してアルコール化学気相成長を行ったところ、ラマン分光スペクトルにより単層カーボンナノチューブの合成が確認できた。
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Research Products
(4 results)