2010 Fiscal Year Annual Research Report
スピン偏極STMで探る高スピン偏極磁性合金薄膜の表面状態とスピン依存伝導
Publicly Offered Research
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
21019009
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
川越 毅 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20346224)
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Keywords | L1_0型規則FePd合金薄膜 / 単原子層交互蒸着法 / STM観察 / スピン偏極表面準位 |
Research Abstract |
L1_0型規則合金薄膜のスピン偏極表面準位をより明瞭に検証するために、本年度は最表面層の元素の選択が可能な単原子層交互蒸着法によってFePd(001)薄膜の作製とその評価を行った。具体的には、Au(001)-(5×28)清浄表面上に、FeとPdを1原子層ずつ交互にn回積層させる単原子層交互蒸着法([Fe/Pd]n)により作製した。エピタキシャル成長法によってMgO(001)上にAu(001)清浄表面を作製し、清浄表面特有の再配列はSTMによって確認した。Auの表面偏析を避け、かつ原子レベル平坦な清浄表面を得るために、n=1のみ[Fe(1nm)/Pd(1ML)]としn=1~4までは室温蒸着した。その後は[Fe/Pd]5-8層以上は基板温度を150-300度で成長させる2段階成長法を用いて作製した。その結果、Au,C,O_2の表面偏析を抑制し原子レベルで平坦なテラスを有するFePd(001)薄膜の作成に成功した。L1_0型規則合金薄膜が形成されているかどうかを確認するため、極磁気カー効果測定装置を用いて室温で磁化測定を行った。その結果基板温度150度および300度で作製した試料両者ともに、磁化の容易方向は試料の面内方向であり、大きな垂直磁気異方性を示していないことがわかる。すなわち十分な規則度を有するL1_0FePd(001)薄膜が形成されていないことを示す。しかし、両者を比べると基板温度300度で作製した方が垂直磁気異方性が大きくなっていることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] STM study of FePt(001) film2010
Author(s)
T.Kawagoe, M.Mizuguchi, S.Mitani, K.Takanashi
Organizer
The 2^<nd> International Symposium on Advanced Magnetic Materials and Applications
Place of Presentation
Sendai, Japan
Year and Date
2010-07-14
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