2009 Fiscal Year Annual Research Report
光-分子強結合反応場を利用したタンパク質の光誘起結晶化
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020007
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
奥津 哲夫 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (20261860)
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Keywords | 光-分子強結合場 / タンパク / 結晶化 / 金ナノ構造 / 非線形励起 / 多光子励起 / リゾチーム / 結晶成長 |
Research Abstract |
【序】タンパク質にUV光を照射し、タンパク質の光化学反応により結晶核を形成させ結晶化を促進させる研究を行ってきた。金ナノ周期構造を用いて可視・近赤外光照射を行うと結晶化が促進されることを見出し、その機構の解明を進めた。 【研究成果】金ナノ構造基盤を用いタンパク質の光誘起結晶化を可視・近赤外光照射で成功した。また、金ナノコロイド溶液の凝集を反応場として利用できるか検討を行った。結晶化用プレートのウェルに金ナノコロイド溶液をドロップし、乾燥させて凝集を構築した。SEMで観測したところ金粒子の凝集が形成されていることがわかった。このウェルにタンパク質溶液をドロップし、可視・近赤外光照射を行うと結晶化促進が確認された。この機構を確かめるために光強度依存性を調べた。その結果、明確な光強度依存性が確かめられ、得られた結晶数と励起光の光子密度の関係は光子密度の3.5乗を示し、多光子反応であることが明らかとなった。 【今後の展望】タンパク質の結晶化が促進される光化学反応のプロトタイプとして、アミノ酸の反応に注目する。現在反応を追跡するのに適した系を探索中である。この結晶化方法はタンパク質の結晶化を促進させる方法として最も簡便と思われるので実用化を検討する。
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