2009 Fiscal Year Annual Research Report
可視MAIR分光法による金属ナノ粒子薄膜のフォトニクス化学
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長谷川 健 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30258123)
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Keywords | 局在型プラズモン / 金属微粒子薄膜 / プラズモン相互作用 / 可視MAIR分光法 / 表面トポグラフィー / 吸収異方性 |
Research Abstract |
ガラス基板上での金の蒸着膜(厚さ5nm)を大気中で18日間放置したところ,見た目にも顕著な色の変化が観察された。これを独自に開発した可視MAIR分光法(MAIRS)でスペクトルを測定したところ,膜面に平行(IP)および垂直(OP)な遷移モーメントをとらえた2つのスペクトルが,互いに大きく異なるスペクトル変化を与えた。従来の可視吸光分光法でとらえられるのはMAIRS-IPスペクトルに相当するもののみで,MAIRS-OPスペクトルに現れた等吸収点はきわめて印象の強いものであった。これを解析するため,AFMによる膜表面の表面トポグラフィーの変化を観察した結果,放置した18日間に金原子が動いて粒子径と粒子間距離が大きく変化したことがわかった。これにより,プラズモンの粒子間相互作用が双極子型から四重極子型へ変化する過程がMAIRSスペクトルでとらえられることなどが明らかとなった。
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