2009 Fiscal Year Annual Research Report
表面増強光触媒の反応初期過程の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020015
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
野坂 芳雄 Nagaoka University of Technology, 長岡技術科学・工学部, 教授 (30134969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸岡 真也 群馬大学, 教育学部, 准教授 (30324007)
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Keywords | 機能材料 / 表面プラズモン / 光化学 / 光触媒 / 酸化チタン / 金超微粒子 / 光電荷移動 / ESR |
Research Abstract |
金ナノ粒子の表面プラズモン吸収により酸化チタンへの電子移動が生じ,太陽光エネルギーを化学反応に用いることで、水を分解し水素燃料を製造することが期待されている。そこで、粒子系において、表面プラズモン吸収による半導体への電荷移動を観測し,効率のよい電荷分離の条件を探索することにより、光触媒系の設計への応用の可能性をさぐることを目的として研究を行った。金微粒子を担持した酸化チタン微粒子において、可視光を照射しプラズモン励起を生じさ酸化チタンの酸化あるいは還元により生じるラジカルを低温77KにいてESR測定することから電子移動を観測した。その結果、プラズモン励起により、金微粒子から酸化チタンへの電子移動が生じる場合もあるが、逆に酸化チタンから電子が出て行く場合や変化がない場合があることを見出した。このことは、プラズモン励起による電荷移動は金と酸化チタンの界面の電子的な接合状態に大きく依存することを示している。また,金微粒子担持酸化チタンの室温懸濁系において、532nm励起により一重項酸素の1270nmの発光が検出された。このことは、酸素分子の基底三重項状態から励起一重項状態への禁制遷移が、プロズモンの増強場により生じたと考えられる。可視光を吸収する半導体BiVO_4の電極系において金超微粒子を種々の条件で電析により担持することで、可視光電流が増加することを見出した。しかし、電流の増加が必ずしもプラズモン吸収スペクトルと一致しないことが分かった。電極のインピーダンス解析から、光電流の増加はBiVO_4電極表面近傍における電荷分離促進に金微粒子担持効果が働いていることが分かった。
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