2009 Fiscal Year Annual Research Report
アキシコンプリズムによるプラズモン顕微鏡の開発と自己組織化膜の高分解能観察
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020016
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川田 善正 Shizuoka University, 工学部, 教授 (70221900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
居波 渉 静岡大学, 若手グローバル研究リーダー育成拠点, 特任助教 (30542815)
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Keywords | プラズモン / 近接場 / 電場増強 / 顕微鏡 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本研究では、アキシコンプリズムを用いた新しい表面プラズモンの局在化励起法を提案するとともに高い空間分解能を持つ表面プラズモン顕微鏡を実現し、局在化プラズモンによる新しい結像理論を構築することを目的として基礎実験を行なった。円錐形状のアキシコンプリズムの側面で、表面プラズモンを励起し、それを先端まで伝搬させ重ね合わせることにより、プリズム先端にプラズモンを局在化させる方法を開発した。 本年度は主に基礎実験のための顕微鏡システムの開発と数値解析による電磁場解析を行なった。平成20年度の基礎実験をもとに、アキシコンプリズムを用いた表面プラズモン顕微鏡を再設計し基礎実験のためのシステムを開発した。表面プラズモンは、近赤外光で励起することを検討し、プリズムの頂角、金属の膜厚などを決定し、アキシコンプリズムの形状を設計した。設計に基づき、ガラス材料の研磨、金の蒸着、などを実施し,アキシコンプリズムを作製した。作製したアキシコンプリズムに、レーザー光を照射し、入射偏光を制御することにより、プリズム側面で表面プラズモンが励起されることを確認し、放射状に対称な偏光を入射させることにより、プリズム先端に明るいスポットが励起されることを確認した。顕微鏡として利用するためのプリズムの操作方法、プリズム先端と試料との距離の制御方法などを検討した。 アキシコンプリズムを用いた表面プラズモンの局在化励起を、電磁場理論を用いて解析した。電磁場理論を基礎として、有限領域時間差分法(FDTD)と境界要素法を用いて計算機シミュレーションを行ない、偏光によるプラズモンの励起特性を検証した。
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