2009 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒的芳香環直接官能基化における表面プラズモン励起の寄与と応用
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 寿雄 Nagoya University, 工学研究科, 准教授 (80273267)
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Keywords | 光触媒 / 金ナノ粒子 / プラズモン / アニリン / 可視光 |
Research Abstract |
先に我々は,酸素非存在下の条件で白金ナノ粒子添加酸化チタン光触媒を用いると芳香族化合物の芳香環に水を作用させ直接高選択的にヒドロキシル化させることや,アンモニア水を用いるとアミノ化反応が進行することを見出した.これらの光触媒的化学合成反応において,白金の代わりに金や銀のナノ粒子を添加した場合に,金属の仕事関数から予測されるよりも明らかに高い光触媒活性が得られることを見出した.この現象は金・銀ナノ粒子の増感作用による可能性もあるが,金・銀ナノ粒子の表面プラズモン励起が寄与している可能性も考えられた.そこで,本研究では,(1)表面金ナノ粒子・銀ナノ粒子のプラズモン励起の本反応における寄与とその素過程の解明,(2)プラズモン励起をより積極的に利用するためのナノ粒子集積構造の最適化,(3)白金ナノ粒子と金・銀ナノ粒子の共存効果の検討,の3点を目的として詳細な検討を開始し,本年度は(1)について重点的に検討した.いくつかの金・銀ナノ粒子添加酸化チタンを調製し,酸化チタンのバンドギャップ励起を避けて430nmの波長の光を照射しアンモニア水を用いたベンゼンのアミノ化を試みると,少量のアニリンが生成したが,ともに生成するはずの水素の生成は見られなかった.金のバンド間遷移の影響を軽減するため照射光を500-600nmのうちの単色光(±10nm)に限定すると,照射光量は下がり(1mW/m^2)アニリンの生成も見られなくなった.この照射条件で他の反応の可能性を検討したところ,酸素雰囲気下でアニリンからアゾベンゼンが生成することが新たに見いだされた.
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