2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機薄膜太陽電池の表面プラズモン共鳴による高効率化に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020020
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
尾崎 雅則 Osaka University, 工学研究科, 教授 (50204186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 彰彦 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80304020)
吉田 浩之 大阪大学, 工学研究科, 助教 (80550045)
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Keywords | 有機薄膜太陽電池 / 表面プラズモン / 局在プラズモン / 時間領域差分法 / 導電性高分子 / フラーレン |
Research Abstract |
有機薄膜太陽電池は、role to roleプロセスで形成可能であり、大面積素子を容易に作製できる次世代太陽電池として期待されている。しかしながら、Siなどのp-n接合型太陽電池とは異なり、励起子拡散長が光吸収領域の大きさに比べて短いため、ドナー-アクセプター界面極近傍で吸収された光のみが光電流に寄与する。すなわち、キャリア生成サイトが少ないことが、有機薄膜太陽電池の高効率化にあたって最大の問題である。本研究では、金属ナノ微粒子、ナノ構造における表面プラズモン共鳴を利用して、励起子生成サイトにおける光増強効果を活用して入射フォトンを効率的に励起子に変換し、さらに、相互浸透界面で生成されたキャリアを高効率に電極に取り出す素子を提案することを目的として研究を行った。具体的には、ドナー材料(D)である共役高分子CPとアクセプター材料(A)であるフラーレン誘導体が素子全体に入り組んだ相分離構造を形成するパルクヘテロ型では、キャリア生成サイトは多いが生成されたキャリアの取り出し効率が低い。そこで、我々は、CPとフラーレンとの積層界面で両者の入り組んだ状態を自己組織的に形成する相互浸透積層構造型を採用し、その相互浸透相への金属ナノ微粒子の導入を試みた。まずD/A単純積層構造界面にAgナノ微粒子を蒸着法により分散させ、光電流、光起電力を測定することにより励起子解離に及ぼす表面プラズモンの効果を調べた。また、グレーティング結合型のプラズモン励起の効果も調べ、特に多成分周期構造グレーティングによる広波長領域におけるプラズモン励起について時間領域差分法計算により検討した。
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Research Products
(15 results)