2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノポーラス複合材料における新奇光化学反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020031
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鍋谷 悠 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 特任助教 (50457826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 一久 株式会社豊田中央研究所, 研究員 (00394651)
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Keywords | ナノポーラス球 / メソポーラス材料 / アゾベンゼン / 局在プラズモン / 有機 / 無機ハイブリッド |
Research Abstract |
本研究では、単分散ナノポーラスシリカ球とアゾベンゼン誘導体を複合化し、さらに球表面に局在プラズモンを誘起できる金ナノ構造を形成させた光反応場の構築を目的とした。研究実施計画に従い、複合体作製に必要な材料となるナノポーラス球と多フッ素化アルキルアゾベンゼン誘導体を合成し、これらを複合化してナノポーラス球への分子の高密度吸着法や細孔内環境の評価により細孔内に2種類の極性環境が存在することなどを見出した。また多フッ素化アルキルアゾベンゼン誘導体を複合化させたナノポーラスハイブリッド球を効率良く光反応させ、反応とともに細孔径が変化することを気体吸着測定により見出した。これは光を照射することにより、非接触かつ必要なタイミングで細孔径を制御可能であることを示唆しており、新しい光機能性ナノポーラス材料作製が可能であると期待できる。さらにナノポーラスハイブリッド球表面にイオンスパッタリングにより金ナノ構造を作製することで、球表面に数ナノメートル程度の微細なホール構造を作製が可能であることを明らかにした、現在、作製した金ナノ構造で誘起される局在プラズモンにより二光子励起反応を検討している。 本研究成果は、特定領域研究「光-分子強結合反応場」の目指す局在プラズモンによる多光子反応を実現する反応場構築として重要であり、これまでの光化学反応の研究で目指してきた高効率、高選択的な光反応を実現する新しい化学反応場として大いに期待出来き、21世紀の光科学技術を支える基盤的研究としてもその意義は大きい。
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