2009 Fiscal Year Annual Research Report
光機能性有機分子ポリマーを被覆した金属ナノ粒子の電場増強光反応
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020032
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小畠 誠也 Osaka City University, 大学院・工学研究科, 准教授 (00325507)
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Keywords | 光化学 / 金ナノ粒子 / ポリマー / フォトクロミズム / 電場増強 / プラズモン / ジアリールエテン / RAFT |
Research Abstract |
本研究では、光機能性を有するフォトクロミックジアリールエテンポリマーを被覆した金属ナノ粒子のフォトクロミック反応の増強電場効果に関する研究を進め、光-分子強結合場における高効率なフォトクロミック反応系の構築を目指すとともに、増強電場を及ぼす金属ナノ粒子表面からの距離依存性について検討する。具体的な内容は、フォトクロミックジアリールエテンポリマーを被覆したさまざまなサイズの金ナノ粒子を合成し、その局在表面プラズモン共鳴の光スイッチングについて検討した。さらに、そのフォトクロミック反応性の照射波長依存性について検討した。 まず、可逆的付加開裂型連鎖移動(RAFT)重合により、分子量と末端基の制御されたフォトクロミックジアリールエテンポリマーを合成し、定量的に末端にチオエステル基が導入されていることを確認した。還元処理によりSH基としたのち、金ナノ粒子を、Brust法、クエン酸還元法、シード成長法によって、数nmから数十nmの粒子径を有するジアリールエテンポリマー被覆金ナノ粒子を作製した。粒径22nmの金ナノ粒子では、フォトクロミック反応に伴いプラズモン共鳴吸収が大きくシフトするのが観察された。特に、固体状態において大きなシフトが認められ、45nmものシフトが観察された。このシフトはジアリールエテンの光異性化に伴う屈折率変化によるものであり、これまで観察されている屈折率変化によるプラズモン共鳴ピークのシフトの中では、非常に大きい変化に値する。さらに、フォトクロミック反応性について検討した。ジアリールエテンの開環反応において、ニートポリマーに比べて、金ナノ粒子では反応性が増大した。その効果は照射波長に依存して、長波長で大きな効果が得られた。
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