2010 Fiscal Year Annual Research Report
光―分子強結合場におけるプラズモン増強非線形光学応答・光化学反応の定量評価法開発
Publicly Offered Research
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
21020038
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 民武 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (00351742)
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Keywords | 単一銀ナノ粒子 / 表面増強ラマン散乱(SERS) / 電磁場増強機構 / 顕微光散乱分光 / 表面増強ハイパーラマン散乱(SEHRS) / 光還元合成 / プラズモン共鳴 |
Research Abstract |
前年度に引き続き電磁場増強理論で表面増強ラマン散乱(SERS)と表面増強ハイパーラマン散乱(SEHRS)の発現機構をより詳細に検証した。この電磁場増強理論では、金属形状がプラズモン共鳴を規定し、プラズモン共鳴の光子状態密度向上効果によってSERSとSEHRSの増強因子が決まる。この理論の因果関係を実験で検証するにはSERSとSEHRSを引き起こしている構造、その構造による共鳴、その共鳴による増強との間の因果関係を実証する必要がある。SERSについては銀ナノ粒子2量体を走査型電子顕微鏡(SEM)測定し、その構造を境界条件としてFDTD計算手法を用いて光子状態密度向上効果を計算した。そして、その計算結果に基づいてSERSとSEHRSスペクトルを電磁場増強理論で再現した。再現の結果、電磁場増強理論を用いSERSが定量的に再現できることとSEHRSスペクトルのプラズモン共鳴による変調が説明できることを明らかにした。これらの結果を応用してSERSの生体分子(糖尿病指標分子、酵母菌表面分子等)の検出の応用研究を行った。
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