2009 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属触媒によるジアリールエテンの修飾反応の開発
Publicly Offered Research
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
21021012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
忍久保 洋 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (50281100)
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Keywords | フォトクロミズム / ジアリールエテン / クロスカップリング / ボロン酸 / パラジウム / イリジウム / 触媒 / チオフェン |
Research Abstract |
我々は既に、イリジウム触媒による芳香族化合物の直接ホウ素化反応をポルフィリンに適用し位置選択的かつ高効率なホウ素化に成功している。非常に有用なフォトクロミック分子であるジアリールエテンを同様に位置選択的にホウ素化できれば、ジアリールエテンを迅速かつ多彩に誘導体化できるため、ジアリールエテンの機能探索に有用である。そこで、ジアリールエテンのホウ素化を検討したところ、ヘキサン中、イリジウム触媒の存在下ピナコールボランを作用させることで、高位置選択的にビス(3-チエニル)エテンを効率よくホウ素化できることを見いだした。生成物であるホウ素化体が様々な反応に利用できるためである。 また、ジアリールエテン自身の合成法についていくつか問題点があると考え、金属触媒反応を活用することで問題点を解決するべく研究を進めた。その結果、1,2-ジクロロ-3,3,4,4,5,5-ヘキサフルオロシクロ-1-ペンテンとチエニルボロン酸からのクロスカップリング反応がジアリールエテンの合成法として非常に有効であることを見いだした。この新しい合成法の反応条件は穏和であり、官能基をもつボロン酸誘導体に対しても有効である。このため、従来の強塩基性条件下の合成法では合成できなかった官能基をもつジアリールエテンを簡便に得ることができることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)