2009 Fiscal Year Annual Research Report
液晶/空気界面における光物体輸送・運動システムの構築
Publicly Offered Research
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
21021022
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
栗原 清二 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (50225265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 智成 熊本大学, イノベーション推進機構, 准教授 (90332866)
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Keywords | 液晶 / マニピュレーション / 物質移動 / 光異性化 / アゾベンゼン |
Research Abstract |
アゾベンゼン分子を液晶に添加して作製した液晶薄膜を用いて、種々の微小物体を自在に直線運動や回転運動をさせることのできる光メカニカル材料の開発を目指している。 ホスト液晶として、ネマチック相から等方相への相転移温度(T_<NI>)が36℃近傍であるペンチルシアノビフェニル(5CB)を用い、アゾベンゼン誘導体を添加した液晶薄膜を用いて、薄膜上に散布したガラスロッド(直径約7ミクロン、長さ20~40ミクロン)の紫外光、可視光照射による光マニピュレーション実験を行ったところ、液晶相,等方相どちらの温度においても光照射により、ガラスロッドが移動することが分かった。しかしながら、移動速度は、等方相よりも液晶相の方が大きく、液晶状態での分子配向構造が物質移動に影響していることが明らかとなった。また、T_<NI>が100℃近傍の液晶をホストとして用いた系と5CBの系の物質移動における、照射光波長依存性の違いなどから、物質移動の駆動力は、光反応により液晶状態から等方相状態、あるいは配向性の高い状態から低い状態への変化する時の弾性の変化によることが示唆された。 また、5CBの等方相においても光照射によるガラスロッドが移動したことから、液晶配向構造を持たない物質も光マニピュレーション材料として用いることができる可能性が示唆された。そこで、ポチエチレングリコールをホストとして用いたところ、5CBの等方相と同程度の速度で物質移動が誘起できることが明らかとなった。
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Research Products
(19 results)