2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナフタセンキノン構造を有する新規分子集合フォトクロミックシステムの構築
Publicly Offered Research
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
21021023
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
守山 雅也 Oita University, 工学部, 准教授 (90334317)
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Keywords | フォトクロミズム / 分子集合 / 液晶 / ゲル |
Research Abstract |
本研究では,アリールオキシナフタセンキノンに代表される芳香族キノンのフォトクロミズムに看目し,これらを利用した新しい分子集合フォトクロミックシステムの構築を目指している.平成21年度は主に,構造変換によって分子集合系に適した化合物を合成し,そのフォトクロミック特性を明らかにすること,物理ゲル化剤・液晶といった自己組織性分子集合材料の構築のためのパーツ分子の合成を目的として研究を行った. その結果,分子集合系に適した構造として対称性の良い二官能性のジフェノキシナラタセンキノン,ジフェノキシアントラキノンを合成し,それらがフォトクロミズムを示すことを確認した。また,末端置換基としてカルボキシル基やヒドロキシ基を有する化合物も合成し,同様にフォトクロミズムを示すことを確認した.自己組織性分子集合材料への展開に向けては,トリアルコキシベンジル基を分子末端に複数有するデンドロン型のパーツ分子の合成を行った.平成22年度にはこれらを組み合わせて,フォトクロミック液晶および物理ゲル化剤を合成する予定である.さらに,構造変換の一環として,これまでには報告例のない非棒状の分子形状を有する液晶性ジベンゾイルオキシアントラキノン化合物の合成に成功した.それらの液晶挙動を偏光顕微鏡観察,示差走査熱量測定,エックス線回折測定などで調べ,主にスメクチック相を形成することが分かった.平成22年度には,ベンゾイル基の転移によるフォトクロミズムについても検討する予定である。
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