2010 Fiscal Year Annual Research Report
光応答性有機無機複合ナノ層状化合物を用いた光メカニカル機構の検討
Publicly Offered Research
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
21021024
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
嶋田 哲也 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (50252317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 晴夫 首東大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (90087304)
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Keywords | 光機能 / 有機無機複合材料 / 反応機構 |
Research Abstract |
異性化する有機分子を集積化し光エネルギーを力学的エネルギーに変換する試みが"光メカニカル機構"として注目されている。本研究では従来の研究例とは異なるアプローチとして、ナノ層状無機化合物とアゾベンゼン誘導体からなる積層ハイブリッド化合物を開発し"光メカニカル機構"の実現を目指した。21年度までに光メカニカル機構の実現に成功し、その興味ある特徴を明らかにしてきた。22年度はメカニズムの検討と材料の展開を目指し、以下の成果を得た。a).サンドイッチ状積層ハイブリッド複合体の作成方法の最適化により鮮鋭なXRDの測定と電子密度分布の算出に成功した。得られた電子密度分布は従来からの推定してきた2分子膜構造を強く支持した。これに加えて、層構造を示すピークの他に光照射により変化する新たな周期構造を発見した。この発見により、ゲスト分子はお互いに無関係に存在するのではなく規則構造が存在することを明らかにし、個々の分子の動きがマクロな形態変化に結びつくメカニズムの足がかりを得た。b).サンドイッチ状積層複合体に加え、ナノスクロール状複合体への研究展開を行った、昨年まではナノスクロール作成時のスクロール形成過程の収率の低さが研究展開の妨げとなっていたが、本年度は作成条件の最適化によりこの過程の収率を70%以上に向上させることに成功した。また、これまでナノスクロール状複合体は全長が最大1μm程度であったが、数μm程度の大きなナノスクロール状複合体の作成にも成功した。c).複合体のベースとなる無機材料の新規開発も行った。ハイブリッド複合体の伸縮方向や変異量はホスト無機材料の電荷密度や表面状態に依存することがわかってきた。材料の示す光メカニカル機構をより能動的に制御するために電荷密度をコントロールしたホスト無機材料として新規人工サポナイトの開発を試み、数種の異なる電荷密度を持つサポナイト作成に成功した。
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Research Products
(35 results)