2009 Fiscal Year Annual Research Report
ケト-エノール光異性化に基づく単結晶フォトクロミズム
Publicly Offered Research
Project Area | New Horizons of Photochromism: Customized Molecular Design and Novel Applications |
Project/Area Number |
21021028
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
田中 耕一 Kansai University, 化学生命工学部, 教授 (10116949)
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Keywords | フォトクロミズム / 単結晶 / ケトーエノール光異性化 / X線結晶構造 / シクロアルキリデンインダノン / 大環状サリチリデンアミン |
Research Abstract |
均一溶液中でのフォトクロミズムの研究とは対照的に、固体あるいは単結晶中での有機フォトクロミズムの研究はジアリールエテン誘導体やサリチリデンアニリン誘導体以外にはこれまでほとんど例がない。申請者らは最近、単結晶中でケトーエノール光異性化により進行する新規な有機フォトクロミック化合物(ビインデニリデンジオン誘導体)を見出し報告している。(J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 2000, 873.; Chem. Lett., 2003, 32, 680.; CrystEngComm, 2004, 6, 1.)本研究では、ビインデニリデンジオン誘導体の研究にヒントを得て、ケトーエノール光異性化が可能な新規のフォトクロミック化合物の設計と合成およびその結晶相フォトクロミック反応における結晶内での分子の動的構造変化の詳細を解明するとともに、その結果を新規・高性能フォトクロミック化合物の分子設計に役立てることを目的とする。さらに、これらのフォトクロミック化合物の単結晶-単結晶(crystal-to-crystal)フォトクロミック反応における結晶中の分子構造変化と結晶のマクロ形態変化を詳細に研究し、光照射による結晶のマクロな形態変化の可能性についても検討を行う。
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Research Products
(5 results)