2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染におけるDNAを介する自然免疫応答の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高岡 晃教 Hokkaido University, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30323611)
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Keywords | ウイルス感染 / 自然免疫 / DNA / インターフェロン / パターン認識受容体 |
Research Abstract |
今年度、細胞質DNAにより誘導される細胞応答の1つとしてI型インターフェロン(IFN)遺伝子発現を指標とした系を用いて、このIFN応答を顕著に増強する分子(SCI2)を新たに同定した。SCI2の細胞質DNA経路における役割について検討を行った。SCI2をHEK293TやHelaなどのヒト細胞に発現させた系においてDNA(poly(dA-dT)・poly(dT-dA))をリポフェクトアミンを用いて細胞内にトランスフェクトした刺激によって誘導されるI型IFNs(IFN-α/β)mRNAの発現誘導を顕著に増強した。IFN-α/βのみならず、TNF-α、IL-6およびCxc110mRNAの発現誘導も増強する結果が得られた。さらにRNAiを用いてSCI2の発現をノックダウンした実験系においては、細胞質DNAによるIFN-βmRNAの誘導が有意に抑制された。さらに同様のSCI2ノックダウンの系において細胞質DNA刺激によるIRF-3の活性化も抑制された。またHSV感染によるIFN-α/β産生も抑制された。したがって、SCI2は細胞質DNA経路での細胞応答をpositiveに調節する役割が示された。さらにSCI2は細胞質に存在しており、刺激依存的にその分子自身がオリゴマー化することも示唆される結果が得られている。SCI2分子内にはZnフィンガーモチーフの存在がみとめられることから、細胞質DNA認識機構における役割を含め、さらにSCI2の作用メカニズムについて検討中である。
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Research Products
(4 results)