2009 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア原虫による宿主免疫修飾機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022009
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
畑生 俊光 Gunma University, 医学部, 助教 (60344917)
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Keywords | マラリア重症化 / 宿主免疫修飾 / スカベンジャー受容体 / ケモカイン |
Research Abstract |
本研究年度では宿主側因子に対する原虫側リガンドを同定する予定であった。しかしながら、酵母2ハイブリッド法のためのベイトベクターへの宿主因子遺伝子の組み込みが進まず、年度末にFKN-CDおよびSR-Aについて完成したばかりである。現在原虫cDNAを組み込んだプレイベクターも完成し酵母2ハイブリッド法を行っている。一方、新たな宿主側因子としてスカベンジャー受容体の一つMARCOを同定した。MARCOは申請者が既に同定しているSR-Aと同じクラスに属しながら発現臓器が異なることが知られている。本研究の成果より、MARCOと原虫感染赤血球の接着は、同じクラスに属するSR-Aと異なることが明らかとなった。これらのことから、同じクラスに属するスカベンジャー受容体であっても原虫感染赤血球との接着様式が異なり、その発現部位の違いも考慮すると、MARCOの介する病態形成機構とSR-Aの介するそれとが異なる可能性が推察された。つまり、熱帯熱マラリアの病態形成機構は、臓器毎に構造上類似するが接着様式の異なる宿主因子を原虫感染赤血球が利用することで、複雑な熱帯熱マラリアの病態を形成している可能性が考えられた。 また、宿主因子に対する原虫側リガンドの探索に関して、別方策として文献的に同定した宿主因子と会合する可能性のある5種類の原虫側タンパク質(RSP90,HSP70,HSP40,PfRAP-1,PfRAP-2)を選択した。これら原虫側タンパク質に関しては、His-tag付きの組み換え蛋白質を作製・精製した。現在ヒト末梢血単核球細胞株培養系にこれら組み換え蛋白質を添加し、その機能・表現型の変化を解析している。
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