2009 Fiscal Year Annual Research Report
真菌フェノームプロジェクト第3章:カンジダの病原因子改訂に向けた研究
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022011
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
知花 博治 Chiba University, 真菌医学研究センター, 准教授 (30333488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 潤 千葉大学, 真菌医学研究センター, 助教 (40114243)
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Keywords | ゲノム創薬 / 病原性メカニズム / 分子標的 / 日和見感染 / 深在性真菌症 |
Research Abstract |
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(C.glabrata)などは、人体内に常在する唯一の真菌であり、また重篤な日和見感染症を起こす真菌でもある。病原性については未解明な点が多く、複数の因子が関与すると考えられており、生育必須因子、常在因子を含めて病原因子とするコンセンサスがある。我々はこのコンセンサスに矛盾を感じているが、異論を唱える根拠が得られていない。そこで、申請者は本研究において、カンジダ・グラブラータの組換え株を用いて生育因子、常在因子、(日和見)感染因子の3つのカテゴリーに分類することにより、カンジダの病原因子の定義を改訂することをめざしている。まず、生育必須遺伝子を同定を進めた。カンジダ・グラブラータの近縁種であるパン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の研究では、最少培地上において生育に必須な遺伝子は既に同定されており、平成21年度は300遺伝子についてテトラサイクリンプロモーターを使った発現制御株であるTET株を作製し、温度変化、無気・嫌気状態、血清の添加など各種in vitroの培養条件下で生育実験を行い必須遺伝子の検証を進め、さらに病原性の判定を行うためにマウスとカイコ幼虫を用いた深在性カンジダ症モデルが完成に近づいており、当初の計画が予定通り進行中である。平成22年度はさらに500株のmutantの作製と感染モデルを使った病原因子の同定を進めて行く。
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