2010 Fiscal Year Annual Research Report
真菌感染防御におけるC型レクチンの役割
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022016
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西城 忍 千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任准教授 (60396877)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
角田 茂 信州大学, ヒト環境科学研究支援センター, 助教 (80345032)
|
Keywords | C型レクチン / 真菌感染 / 感染免疫 / ノックアウトマウス / 自然免疫 / サイトカイン / Th17 / 疾患モデルマウス |
Research Abstract |
C型レクチンは膜タンパク質で、細胞外のCDRと呼ばれる領域で糖鎖を認識する。C型レクチンファミリーに分類される分子は非常に多数あるが、そのうち樹状細胞(DC)やマクロファージに発現する遺伝子は、マウスでは6番染色体のテロメア側にクラスター状に存在し、相同性も高い。これらの分子は自然免疫に関わる分子であることが予想されるが、ほとんどの分子の機能は不明である。そこで我々は、このクラスター上に存在するDectin-1(Clec7a)およびDectin-2(Clec4n)の欠損マウスを作製し、生体防御機構における役割を解析した。その結果、1)Dectin-1、Dectin-2は、それぞれ真菌細胞壁のβグルカン、αマンナンのレセプターであり、活性酸素種(ROS)やサイトカイン産生を担っていること、2)Clec7a^<-/->マウスはPneumocystis carinii感染に対し易感染性になり、野生型マウスと比較し感染後の肺でのシストの数が増加していること、3)Clec4n^<-/->マウスはCandida albicans感染に対し易感染性になり、野生型マウスと比較し感染後の生存率が低下すること、4)Dectin-2によるC.albicans感染防御には、IL-17が重要な役割を果たしており、Th17細胞の分化を優先的に促進すること、の3点を明らかにした。これらの結果は、以上の結果から、C型レクチンはサイトカイン産生やROS産生を介し生体防御に重要な役割を担っていることが示された。
|