2009 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識におけるSIGNR1と他のファミリー分子における差異の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022021
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高原 和彦 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (90301233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Keywords | 微生物 / 感染症 / 糖鎖 / 免疫学 / レクチン |
Research Abstract |
先に、SIGNR1が病原性C.albicans表面のα-mannanを認識し細胞のTNF-α産生およびoxidative burstを昂進することを示した。そこで今年度は、SIGNR1のC.albicans認識における糖特異性をヒトホモログhDC-SIGNを交えて検討した。 始めに、異なる表面N-glycan糖鎖構造を有するC.albicansおよびS.cerevisiae株に対する可溶性SIGNR1及びhDC-SIGNの結合性を検討したところ、SIGNR1は両者に同程度結合したが、hDC-SIGNは前者に対してのみ強い結合性を示した。次に、様々な菌株より調製したN-glycan糖鎖を用いてhDC-SIGNの結合阻害実験を行ったところ、hDC-SIGNはα-mannose構造を認識するものの、SIGNR1と異なりβ-mannan-capped α-mannanを認識し得ないことが示された。次にN-グリカンより側鎖を切り出し阻害実験に供することを目指したが、技術的問題より精製糖鎖の調製・構造解析には至らなかった。そこで、糖鎖アレイを用いてSIGNR1の特異性を検討した。この際、通常のアレイではSIGNR1の結合が見られないため、液層でレクチンとリガンドの結合を検出できるevanescent-field fluorescence-assisted detection法を用いた。その結果、SIGNR1はC.albicansおよびS.cerevisiae由来糖鎖だけでなく、単糖のhDC-SIGN同様α-mannoseにも結合した。しかしhDC-SIGNの結合するFucose含有Lewis抗原には結合せず、両者の特異性が異なることが示された。 以上の結果より、SIGNR1はDC-SIGNと同様にα-mannose特異性を有するが糖特異性の点で異なることが示された。
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