2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの成熟および複製に関与する宿主因子の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022022
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 善治 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (50157252)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 嘉生 国立感染症研究所, ウイルス第三部, 室長 (40379095)
|
Keywords | HCV / コア蛋白質 / プロテアソーム / PA28gamma / 粒子形成 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)のコア蛋白質は、ヌクレオキャプシドの構成因子としてウイルス粒子の形成に関与している。これまでに我々は、HCVコア蛋白質がユビキチン化非依存的(PA28γ依存的)に、あるいはユビキチン化依存的(E6AP依存的)にプロテアソームで分解されることを報告してきた。しかしながら、HCVコア蛋白質が二つのプロテアソーム経路で分解されることの、生物学的意義は不明であった。そこで今回我々は、コア蛋白質の二つのプロテアソームによる分解とウイルス産生の相互作用を検討した。E6APをノックダウンするとコア蛋白質のユビキチン化が抑制され、ウイルス産生は上昇した。一方、PA28γをノックダウンするとコア蛋白質のユビキチン化が促進され、ウイルス産生は低下した。しかしながら、PA28γのノックダウンはゲノム複製には影響しなかった。また、PA28γのノックダウンにより低下したウイルス産生は、E6APのノックダウンによって回復した。さらに、PA28γはプロテアソームのトリプシン様活性を促進するが、その機能を欠損させたPA28γ変異体は、PA28γのノックダウンにより低下したウイルス産生を回復させる事が出来なかった。以上の成績から、PA28γはE6APによるコア蛋白質のユビキチン化を負に制御し、ウイルス産生においてE6APと相反する機能をもつことが示唆された。
|