2009 Fiscal Year Annual Research Report
Th2非依存的なN.brasiliensis感染排除機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022040
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本間 季里 Nagasaki University, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (70307940)
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Keywords | IRF-4 / N.brasiliensis / Th2 / 好酸球 |
Research Abstract |
N.brasiliensis(NB)感染は、NB特異的Th2が誘導されると小腸の杯細胞にIL-13が作用し、粘液を産生することによりNBが排除されると考えられてきた。実際、Th2分化が起きないSTAT6 KOではNB排除は起こらない。転写因子IRF4はTh2分化に必須の転写因子で、IRF4 KOマウスはTh2分化が起きないことを我々は報告した。そこで、このマウスにNBを感染させたところ、野生型より1-2週遅れるもののNBは完全に排除され、Th2非依存的NB排除機構の存在が示唆された。 ◆ 野生型、IRF4 KOにNBを感染させ、経時的に成虫数、脾臓(全身免疫系)、腸間膜リンパ節細胞(所属リンパ節)、パイエル板細胞(感染局所)をNB粗抗原で刺激し、IL4、IL13産生を測定した。野生型は感染2週で排虫が完了、IRF4 KOは3週で排虫が完了した。野生型では排虫の時期に一致して抗原特異的IL4、IL13産生が認められたが、全経過を通じてIRF4 KOではこれら抗原特異的サイトカイン産生は認めなかった(パイエル板においてもTh2分化はなかった)。 ◆ しかし、小腸の組織をPAS染色すると排虫の時期に一致して、野生型同様IRF4 KOでも杯細胞の過形成は認められ、Th2が誘導されなくとも、杯細胞の過形成は起こりその結果、排虫されるものと考えられた。 ◆ しかし、小腸組織をHE染色したところ、野生型では様々な種類の細胞が浸潤しているのに対して、IRF4 KOでは著しい好酸球浸潤が認められた。 ◆ この浸潤した好酸球のTh2非依存的NB排除への関与を確かめるために、抗IL5抗体(TRFK5)を投与し好酸球浸潤を阻止したところ、コントロール抗体に比べ排虫が著明に遅延した(現在実験継続中で最終的な排虫の有無については結論は出ていない)。 これらの結果から、Th2非依存的NB排除のメカニズムの一つは好酸球によるものであることが判明した。現在、NBによる好酸球浸潤の機序を解析中である。
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Research Products
(7 results)