2009 Fiscal Year Annual Research Report
病原性ビブリオ属細菌による宿主炎症誘導機構
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022042
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
鈴木 敏彦 University of the Ryukyus, 医学研究科, 教授 (10292848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 裕範 国立大学法人琉球大学, 医学研究科, 助教 (60304557)
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Keywords | カスパーゼ-1 / 炎症 / マクロファージ |
Research Abstract |
本研究では、細胞外増殖性グラム陰性細菌であるビブリオ属病原細菌の感染と宿主炎症応答の分子機構を菌側・宿主側両面から包括的に理解することを目的としている。コレラ菌、腸炎ビブリオおよびビブリオ・バルニフィカスによる感染と宿主の炎症惹起のメカニズムは未だ明らかになっていない。しかしながら、それぞれヒトへの感染の部位・発症の過程は異なる一方で、溶血毒等の細胞穿孔活性をもつ病原因子の産生と、感染に伴う炎症の惹起という共通点を見出すことができる。この点に着目し、申請者らが明らかにしてきたNod様受容体による細菌因子の認識と、カスパーゼー1活性化を介した炎症誘導機構に関する研究をさらに発展させることによって、ビブリオ属細菌による炎症誘導の機構を分子・細胞・個体レベルで解析している。これまでの研究によって、ビブリオ属3菌種ともにマクロファージ感染後にカスパーゼー1活性化とIL-1βのプロセッシングが認められた。また、コレラ菌およびビブリオ・バルニフィカスの感染によるカスパーゼー1活性化には、Toll様受容体シグナルに対する依存性が異なることが示され、これらの知見をまとめて新しいカスパーゼー1活性化制御機構として報告した(Toma et al, J Immunol, 2010)。さらに腸炎ビブリオからカスパーゼー1活性化を負に制御するエフェクター分子が分泌されることが見出され、その分子機構を明らかにすべく解析を行っている。一方で、新興感染症病原細菌の一つエロモナス属細菌の感染においてもカスパーゼー1を介した炎症誘導が認められ、その解析結果を論文投稿中である。
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Research Products
(13 results)