2009 Fiscal Year Annual Research Report
ボツリヌス神経毒素の結晶構造解析と受容体結合様式の特殊性の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022046
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
塚本 健太郎 Fujita Health University, 医学部, 助教 (80434596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小崎 俊司 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10109895)
田中 良和 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助教 (20374225)
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Keywords | 細菌 / 蛋白質 / 結晶工学 / ボツリヌス毒素 / 受容体 |
Research Abstract |
ボツリヌスA型及びB型毒素については、結晶構造が明らかになっており、その構造情報を基に受容体認識機構の解析が進んでいる。しかしながら、C型やD型毒素についての結晶構造は明らかにされておらず、毒素-受容体相互作用の詳細な結合様式の解明には至っていない。そこで本研究ではC型およびD型に分類される4種のHcについて結晶構造と結合特異性についての解析を試みた。各HcをHis-tag融合蛋白として精製し、種々の条件で結晶化を試みたところ、すべてのHcについて結晶化に成功した。この結晶について大型放射光施設(Spring 8およびPF)にてX線回折データを収集したところ、DCモザイク毒素由来のOFD05Hcについては2.8Aの回折データを得ることができ、そこから構造決定に成功した。すでに明らかとなっているA型およびB型のHcと比較すると、OFD05Hcは一部共通した構造を有している一方で、ガングリオシド認識に関与すると予想される領域は異なる構造をしており、それを構成するアミノ酸も他の型とは異なることが考えられた。また、Biacoreを用いてOFD05Hcのガングリオシドへの結合性について検討したところ、典型的なC型配列を有するCB-19HcがGD1b、GT1bに結合するのに対し、OFD05HcはGM1a、GD1a、GQ1bに高い親和性を示し、ガングリオシドへの結合特異性についても他の型とは異なる性質をもつことがわかった。今後、これらの結合に関与すると予想されるアミノ酸残基についてアラニン置換体を作製し、結合様式について明らかにしてく予定である。
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