2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物アルファ様プラス鎖RNAウイルスの膜結合前複製複合体前駆体の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022047
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
石川 雅之 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物・微生物間相互作用研究ユニット, 上級研究員 (70192482)
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Keywords | RNA / ウイルス / 複製 |
Research Abstract |
植物プラス鎖RNAウイルスであるトマトモザイクウイルス(ToMV)は、130Kおよびそのリードスルー産物である180K複製タンパク質をコードする。ToMV130Kタンパク質は翻訳と共役してゲノムRNAと結合し、core pre-membrane-targeting complex(core PMTC)と呼ばれる複合体を形成し、さらにこれに180Kタンパク質が結合してから、生体膜に結合して複製複合体を形成すると考えられている。以前の研究でcore PMTCを精製し、共精製される宿主タンパク質を同定したが、これらはウイルス増殖には直接は関係のないタンパク質であると考えられた。このような結果となった原因としては、重要な宿主因子と複製タンパク質との結合が弱く、精製の過程で大部分が脱落してしまった前能性、ToMV RNA結合性タンパク質の量が多く、複製タンパク質に結合した重要な宿主因子が埋もれてしまった可能性等が考えられた。これらの問題点を克服するために、複製タンパク質にタグを付したToMV RNA誘導体を、超遠心で生体膜を除去した脱液胞化プロトプラスト抽出液中で翻訳してcore PMTCあるいはPMTCを形成させたあと、再切断可能なクロスリンカーDTSSPで複合体を架橋してからRNAと解離させた上でタグを用いて複製タンパク質を精製することを計画した。予備実験を進めるうちに、複製タンパク質が二量体を形成していること、core PMTCを構成する複製タンパク質のC末端に付したアフィニティー精製用タグはDTSSPで架橋すると抗体で認識されなくなる(遊離の複製タンパク質はDTSSP処理してもタグ精製が可能であるにもかかわらず)ことを示唆する実験結果を得た。
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Research Products
(3 results)