2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスの感染増殖および粒子形成における脂質の役割
Publicly Offered Research
Project Area | Matrix of Infection Phenomena |
Project/Area Number |
21022051
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
脇田 隆字 National Institute of Infectious Diseases, ウイルス第二部, 部長 (40280789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 賢太郎 国立感染症研究所, 細胞化学部, 部長 (30192701)
相崎 英樹 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (00333360)
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Keywords | HCV / ウイルス / コレステロール / 脂肪滴 / 脂質ラフト |
Research Abstract |
我々は感染性ウイルス粒子そのものを解析することから粒子形成の"場"や仕組みの解明に取り組んでいる。本研究では感染性C型肝炎ウイルス(HCV)粒子および感染細胞における脂質を詳細に解析することにより、HCVの生活環における脂質の役割を解明することを目的としている。HCVの場合、細胞内脂肪滴がHCV粒子形成に重要であることが報告されている。本年度は脂肪滴周辺の膜蛋白質のプロテオーム解析をおこなった。その結果45種類のLD周辺膜蛋白を同定し、さらにsiRNAによる検討で、HCV粒子形成に関与する生体膜蛋白としてHSD11を見出した。HSD11とHCV蛋白のの結合を免疫沈降法で解析したところ、NS5AがHSD11と結合したONS5Aは脂肪滴表面のコア蛋白の近傍に局在して、ウイルス粒子形成に関与している。HSD11がNS5AをLDにリクルートすることが感染性粒子形成に重要な役割があることが示された。さらに、コレステロールとその類縁体を用いてHCVの感染に重要なコレステロールの構造を検討した。その結果、3位のOH基、アシル側鎖構造が感染性、粒子密度の維持に重要であること、またコレステロールの環状構造の柔軟性が感染性を変化させることを確認した。これらの構造は脂質ラフトの形成にも重要なことから、HCV感染過程におけるHCV粒子と脂質ラフトとの相互作用が示唆された。
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Research Products
(32 results)