2009 Fiscal Year Annual Research Report
光エネルギーで作動するナノイオンポンプの構造・機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative nanoscience of supermolecular motor proteins working in biomembranes |
Project/Area Number |
21023013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井原 邦夫 Nagoya University, 遺伝子実験施設, 助教 (90223297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 勉 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30170210)
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Keywords | ハロロドプシン / 膜タンパク質 / 好塩性古細菌 / レチナールタンパク / 塩素イオン / 立体構造 / 膜電位 / イオンポンプ |
Research Abstract |
光によって励起され、塩素イオンを能動的に一方向へ輸送するイオンポンプタンパク質、ハロロドプシン(phR)の基底状態における構造を決めた(pdb:3A7K)。古細菌型ロドプシンに共通した7本のα-ヘリックス構造とレチナール周辺のアミノ酸残基の配置が保存されていた。その一方で、ユニークな特徴が幾つか見つかった。(1)2カ所の塩素イオン結合部位が存在していた。1カ所はHalobacterium salinarumのhRと同じ位置で、レチナールシッフ塩基結合の近傍に位置していた。もう1ケ所は、隣接する2分子の2本のヘリックス(ヘリックスBとヘリックスE)間に存在しており、細胞質側に位置していた。(2)ネイティブな膜構造を保持して結晶化したことによって、内在性の色素であるバクテリオルベリンの結合が観察された。これは、Halorubrum属のプロトンポンプであるアーキロドプシン(aR)の結合様式と非常に似ていたが、共通に保存されたアミノ酸残基は特になかった。(3)ヘリックスAの前方にある短いヘリックスA'とヘリックスB-Cを結ぶループ(一部βストランド構造を形成している)からなる構造は、細胞外側からタンパク質内部へのイオン取り込みを動的に制御している事を強く示唆するキャップ構造を形成していた。このキャップ構造は、タンパク質内部にある塩素イオン結合部位への導入が物理的に制御されている構造体としてはじめての報告となる。
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[Journal Article] Halorubrum chaoviator sp. nov., a haloarchaeon isolated from sea salt in Baja California, Mexico, Western Australia and Naxos, Greece.2009
Author(s)
Mancinelli RL, Landheim R, Sanchez-Porro C, Dornmayr-Pfaffenhuemer M, Gruber C, Legat A, Ventosa A, Radax C, Ihara K, White MR, Stan-Lotter H.
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Journal Title
Int J Syst Evol Microbiol. 59巻
Pages: 1669-1673
Peer Reviewed
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