2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能光学顕微鏡の開発と応用
Publicly Offered Research
Project Area | Innovative nanoscience of supermolecular motor proteins working in biomembranes |
Project/Area Number |
21023018
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
上村 慎治 中央大学, 理工学部, 教授 (90177585)
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Keywords | 高分解能光学顕微鏡 / 全反射蛍光顕微鏡 / ベン毛軸糸 / 暗視野照明光学系 |
Research Abstract |
本研究では、本来は全反射型顕微鏡用に開発された高開口数の対物レンズと,高開口数の油浸暗視野コンデンサを併用することで、生体試料の詳細構造を高分解能で(~100nm)観察できる顕微鏡を作成することを目指す。近年のsuper-resolution顕微鏡は蛍光色素を使ったものであるが,ここでは透過型の照明法(環状照明法)で通常の生体試料の観察の可能な光学系開発を目指している。本年度は、装置の組み立てと性能評価を行うためのシステムを組んだ。光源は、超高圧水銀灯を用い、波長435nmの輝線波長光(対物レンズの透過性能上の限界)を用いた.開口数1.45の対物レンズを使用し,高精度画像取り込み装置を設置(高解像度高感度冷却CCDカメラ)し、通常は無効倍率とされる高倍率での画像取り込み(5~10nm/pixel)を行った.その結果,100nmの分解能まではまだ達していないが,135nm近辺までの空間周波数帯域までの記録ができることが確認できた.これは実質的には,アッベやレーリーの定義する分解能を遙かに上まわり,ホプキンスが通常の明視野照明条件で予測したものよりもやや優れたものであった.この領域は,カバーガラスの屈折率,試料とカバーガラス間の距離(<波長),レンズ~試料間媒質の屈折率によっても成果が変わることが確認できた.特に,暗視野照明側の媒質屈折率を1.7まで上げることで性能の大きな向上が確認できた.試料媒質の屈折率を上げる工夫で,生体試料の高分解能観察も可能になると考えられる.100nm前後のオルガネラ構造の動態解析へとの応用が期待される.
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Research Products
(8 results)