2009 Fiscal Year Annual Research Report
花粉表層構造の形成機構とそのゲノム障壁における機能の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
21024004
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石黒 澄衞 Nagoya University, 生命農学研究科, 准教授 (50260039)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 花粉 / エキシン / ポレンコート / kaonashi / 分子シャペロン |
Research Abstract |
雌しべの先端にある柱頭は、付着した花粉が同種のものか異種のものかを認識し、同種の花粉のみを発芽させることができる。これは花粉表層にある物質を柱頭が認識しているためである。このような種間認識に関わる物質が何であるかはまだよくわかっていないが、花粉表面を覆う「エキシン」や「ポレンコート」がその働きを担っていると考えられている。エキシンやポレンコートの形成機構にはまだ不明な点が多いので、その解明を目的として研究を行った。 エキシン形成機構については、エキシンが薄くなるkaonashi4(kns4)突然変異体の解析を中心に研究を行った。KNS4は四分子期の葯のタペート細胞で特異的に発現し、ゴルジ体に局在することを確認した。KNS4はエキシン形成初期にエキシンの鋳型として働くプライムエキシンの生合成に関与する酵素だと推定された。このほか、KNS7とKNS10のマップベースクローニングを行い、候補遺伝子を同定した。ポレンコートについては、柱頭による花粉認識に重要な働きをする物質がシロイヌナズナのポレンコート中に含まれていることを見いだし、その化学構造を決定した。 CLV2タンパク質が分子シャペロンSHDと相互作用しうるかどうかを生化学的に検証した。大腸菌で発現させたリコンビナントタンパク質を用いてプルダウンアッセイと表面プラズモンアッセイを行い、いずれの方法でも両タンパク質の相互作用を検出することができた。CLV2がSHDのin vivoでのクライアントである可能性が示された。
|