2010 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム障壁を支える雌蕊生殖器官形成機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
21024008
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
相田 光宏 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 特任准教授 (90311787)
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Keywords | 遺伝子 / 植物 / 発生・分化 / 生殖 / シロイヌナズナ / 雌しべ / 心皮 / 分裂組織 |
Research Abstract |
雌蕊は受粉から受精・胚発生へと到る一連の生殖過程を支える重要な器官である。本研究ではシロイヌナズナにおいてシュート器官の融合・分離と茎頂メリステム形成に働くNAC型転写因子CUC1とCUC2に着目し、生殖を支えるいくつかの重要な構造(胚珠、隔壁、および心皮融合部)の形成メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成22~23年度において以下の成果を得た。 1)CUC1・CUC2の作用機構を明らかにする研究これまでに同定したCUC1・CUC2によって発現が制御される下流遺伝子をcuc1 cuc2二重変異体で強制的に発現させ、変異体の表現型を回復できるかどうかを調べた。その結果、胚発生ではSTM、LAS、BLR、KNAT6の各遺伝子が、CUC1とCUC2の下流で茎頂メリステム形成と子葉分離に中心的な役割を果たすことがわかった。これにより、茎頂分裂組織形成の重要な制御ステップの分子メカニズムが明らかになった。 2)雌蕊におけるCUC1・CUC2の発現制御機構の解析 CUC1およびCUC2は、発達中の雌蕊向軸側に限定された領域で発現することが分かっていた。そこで、その発現制御機構を明らかにするため、雌蕊形態に異常を示す突然変異体sptおよびcrcにおいて、各遺伝子の発現解析を行った。その結果、いずれの変異体においても、雌蕊の背軸側にCUC1とCUC2の異所的な発現が見られたことから、SPTとCRCがCUCの向軸側特異的な発現に重要な役割を示すことが分かった。さらに、cuc1およびcuc2変異はいずれもspt変異体における心皮の融合不全の表現型が抑制されることから、SPTにおけるCUC遺伝子の発現抑制が、心皮の完全な融合に重要な役割を果たすことも分かった。以上より、心皮融合を制御する遺伝子間相互作用の一端が明らかになった。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Environmental risk assessment and field performance of rose (Rosa×hybrida) genetically modified for delphinidin production2011
Author(s)
Nakamura N, Fukuchi-Mizutani M, Katsumoto Y, Togami J, Senior M, Matsuda Y, Furuichi K, Yoshimoto M, Matsunaga A, Ishiguro K, Aida M, Tasaka M, Fukui H, Tsuda S, Chandler S, Tanaka Y
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Journal Title
Plant Biotechnology
Volume: 28
Pages: 251-261
Peer Reviewed
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