2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼCHIPの標的となる新規腫瘍形成促進タンパク質の探索と解析
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 明子 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50431656)
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Keywords | CHIP / 癌細胞転移 / タンパク分解 / 癌細胞増殖 |
Research Abstract |
本研究では、癌の足場非依存的増殖と腫瘍形成を促進するCHIPの標的タンパク質(X)を探索し、同定することを目標とする。これまでの申請者らの結果から、CHIPのノックダウンによって乳癌細胞でBc12mRNA量が60倍近く上昇することが明らかであり、Bc12は細胞の非接着培養下でのアポトーシスを抑制し、腫瘍形成を促進する可能性が考えられた。本研究では、Bc12と乳癌の腫瘍形成との関係を明らかにし、Bc12量を制御するCHIP標的蛋白質Xの探索と同定について解明する。 1】Bc12と乳癌のアノイキス耐性との関係の解明 乳癌細胞でBc12を過剰発現もしくはノックダウンし、in vitroでの足場非依存的増殖に与える影響を検討し、さらに、これらの乳癌細胞をヌードマウスに移植し、腫瘍形成に対するBc12の効果を検討した。その結果、Bc12の発現量が乳がんの増殖に影響を与えることは明らかとなった。さらに、CHIPによる腫瘍サイズ縮小の主たる要因がBc12の発現低下であるか否かを検討するため、現在、CHIPとBc12の発現量を変化させた癌細胞を作製し、ヌードマウスに移植し腫瘍形成について検討している。 2】CHIPによるBc12mRNAの量の抑制メカニズムの解明 MCF7細胞のCHIPをノックダウンすると、Bc12の発現量が数十倍になり、足場依存的増殖能・腫瘍形成能ともに著しく上昇することをこれまでに明らかにした。さらに、Run on assayを用いて転写活性に与えるCHIPの影響と、Actinomycin Dを用いて転写を阻害した場合のBc12mRNAに与えるCHIPの影響について調べた。その結果、CHIPノックダウンによって、Bc12mRNAの転写が促進していることが明らかとなり、CHIPが転写を制御することが明らかとなった。
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