2009 Fiscal Year Annual Research Report
膜マイクロドメイン局在化とγセクレターゼ活性制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 泰輔 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (30292957)
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Keywords | 酵素 / バイオテクノロジー / 脳神経疾患 / 薬学 |
Research Abstract |
アルツハイマー病発症に関わるAβ産生を遂行する酵素であるγセクレターゼは、膜内配列切断酵素の一つであり、同時に様々な一回膜貫通型タンパクを基質としてシグナル伝達に関与しているため、単純な活性阻害では副作用が誘発される可能性が示唆されている。γセクレターゼはプレセニリン・ニカストリン・Aph-1・Pen-2を基本構成因子とする高分子量膜タンパク複合体であることが明らかとなっているが、その他に様々な「機能修飾サブユニット」との結合が推定されている。最近になり、細胞内局在の違いによって基質特異性や切断活性の異なるγセクレターゼ活性が見られることが報告された。すなわち、サブユニットの多様性により機能変化させているプロテアソームのように、γセクレターゼにはなんらかの「制御因子」が一過性ないし構成性に結合し、酵素活性の異なるロセクレターゼを生じる可能性がある。これまでに細胞内局在を見分ける抗γセクレターゼ特異抗体による複合体の精製と膜タンパクショットガンプロテオミクスを組み合わせ、γセクレターゼ複合体構成因子の一括同定・機能解析を行った。その結果、特に活性型γセクレターゼ複合体を認識する抗体により、細胞表面膜上にマイクロドメインを形成していることが知られているテトラスパニンファミリー分子や、細胞内輸送に関わるSNARE関連分子群の同定に成功した。また本抗体を元に単鎖抗体を作製し、そのひとつがγセクレターゼを細胞内で不安定化し活性を抑制する機能中和抗体となることを示した。
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Research Products
(10 results)