2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分解を介した核内受容体機能と生物学的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大竹 史明 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 助教 (60447373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 浩史 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任講師 (20345234)
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Keywords | ユビキチン / 環境 / 転写因子 |
Research Abstract |
核内受容体のユビキチンリガーゼ活性について検討した。その結果、エストロゲン受容体(ER)が細胞分裂期(M期)特異的にE3活性を有することが明らかとなった。今年度はさらにその作用機構について解析した。まずER相互作用因子としてPP2Aの活性中心および時期特異的なアダプター因子を同定した。そこでERのリン酸化に対する影響を検討した。その結果、ERはM期中期以降に脱リン酸化され、これによって、E3複合体形成および基質であるサイクリンの蛋白質分解が誘導されることが明らかとなった。以上より、エストロゲン受容体は転写活性を介した機能とユビキチン化を介した機能を有し、この機能は細胞周期のステージで機能変換されていることが明らかとなった。次に、ビタミンD受容体(VDR)がE3活性を有することを見出した。ERとは異なり、VDRはそのC領域にE3活性責任領域を有していた。そこでE3活性を検討したところ、予想に反し、VDR自身が単体でE3活性を有することが明らかとなった。VDRは既知のE3活性責任ドメインを有していないにもかかわらず、in vitro系において、リコンビナント蛋白質として自己E3活性を発揮した。VDRは単体でのE3活性および、複合体形成に依存したE3活性を有し、前者はE/F領域、後者はC領域を必要とした。そこで現在、複合体の同定および、E2の選択性を含めた詳細な解析を進めている。以上より核内受容体の新規機能としてE3活性およびその作用機序の一端を見出した。
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