2009 Fiscal Year Annual Research Report
酵母カルパインホモログCpl1の活性制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 達哉 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (90280627)
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Keywords | シグナル伝達 / ストレス / 微生物 / 蛋白質 / 酵素 |
Research Abstract |
進化上保存された非典型カルパインの酵母ホモログCp11は、アルカリ応答性Rim101経路において、転写因子Rim101をプロテオリシスし活性化する。この経路の上流でアルカリ刺激を検知するセンサー部は、3つの膜タンパク質とアレスチン様タンパク質Rim8から構成されている。下流でRim101を切断するプロテアーゼ複合体がエンドソームソーティングの実行因子であるESCRT複合体を足場に形成されることから、センサー部の膜タンパク質が特殊な積み荷(カーゴ)としてソーティングの実行因子に認識される可能性が考えられた。我々は、Rim8とは別のアレスチン様タンパク質Aly2が、アミノ酸トランスポーターDip5へとユビキチンリガーゼであるRsp5をリクルートする作用を持ち、これによりDip5がエンドサイトーシスを受けることを明らかにした。同様に、センサー部の膜タンパク質とRim8との結合が経路活性化の引き金となっていることを確認するため、両者の結合がアルカリ刺激によって誘導されるかどうかを検討したところ、科学架橋剤の存在下で両者の共沈が確認された。 Rim101の切断で生じるC末端側断片のN末端は、何らかの修飾によりブロックされていてエドマン法による配列決定が困難であった。配列決定の困難を克服するため、Rim101の大量発現系の構築を試みたが、Rim101の高発現は酵母の生育を阻害することを見出した。そのため、Rim101経路による切断部位のみを精製用タグに融合し、生育阻害効果を排した基質タンパク質を構築し、これが酵母細胞内でRim101経路に依存して切断されることを確認した。
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