2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分解系による心不全制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025018
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大津 欣也 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (20294051)
|
Keywords | 心不全 / オートファジー |
Research Abstract |
本研究は心臓におけるタンパク質分解系に焦点を絞り、その心不全発症への関与を明らかにするとともに新規心不全治療薬の分子標的探索を目標とするものである。本研究ではオートファジーの心不全における誘導機構ならびにカルパインが心不全発症において果たす役割を明らかにすることを目的とする。 カルパインを介した経路が心不全発症に関与しているか否かを検討するため、既に作製済みである心筋特異的calpain4ノックアウトマウスを用いて検討を行なった。本マウスを用いて圧負荷心不全モデルを作成し、カルパインを介した経路の心不全発症への関与について検討した。calpain4ノックアウトマウスはメンデルの法則に従って生まれた。心エコー法を用いて心機能を検討したところ対照群と差はなかった。従ってカルパインは心発生には必須ではないことが明らかとなった。そこで横行大動脈を縮索し圧負荷心不全モデルを作成した。対照群では一週間後に心機能不全を伴わない心肥大を呈したがcalpain4ノックアウトマウスでは心拡大、心機能低下を示した。組織学的に検討したところ著明な線維化を認めた。さらにアポトーシス存TUNEL法にて検討したところTUNEL陽性細胞の増加が認あられた。きらにカスペース活性の増加も明らかとなった。従ってカルパインは従来の報告にあったように細胞障害因子ではなく細胞保護因子であることが明らかとなった。
|