2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質分解系による心不全制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大津 欣也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20294051)
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Keywords | 心不全 / オートファジー |
Research Abstract |
本研究は心臓におけるタンパク質分解系に焦点を絞り、その心不全発症への関与を明らかにするとともに新規心不全治療薬の分子標的探索を目標とするものである。本研究ではオートファジーの心不全における誘導機構ならびにカルパインが心不全発症において果たす役割を明らかにすることを目標にする。 前年度カルパインを介した経路が圧負荷心において細胞障害性に働くのではなく細胞保護的には働くことを心筋特異的カルパイン4欠損マウスを作製することにより先らかにした。本年度はその分子機構を明らかにした。カルパイン4欠損マウスに圧負荷後にタンパク質を単離し2次元電気泳動を行った。対照群との間で発現に差のあるスポットをTOF-MASにて蛋白質を同定した。その後ウエスタンブロット法にてタンパク質の発現変化を確定した。しかしながらその中に細胞保護に働いていると報告されているタンパク質は存在しなかった。そこで圧負荷後にエバンスブルー色素をマウスに投与した。カルパイン4欠損マウス心においては有意なエバンスブルー色素取り込みが認められた。すなわちカルパイン4欠損マウス心筋の膜レベルの異常が示唆された。そこでカルパイン4欠損マウス心より心筋細胞を単離し、レーザー照射による膜障害に対する膜修復能を検討した。カルパイン4欠損心筋細胞は膜修復能低下を示した。従ってカルパインは外的ストレスに対して生じる膜障害後の修復に必須であり、カルパインが圧負荷に対して保護的に働いていることが明らかとなった。
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