2009 Fiscal Year Annual Research Report
滑脳症治療への挑戦:カルパインによるリスワン分解機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025028
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
広常 真治 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 教授 (80337526)
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Keywords | モータータンパク質 / 滑脳症 / 細胞質ダイニン / 治療 / LIS1 / カルパイン |
Research Abstract |
細胞分裂における染色体の正確な分配はゲノムの恒常性を維持する上に置いて重要な現象であり、その破綻は発がんのメカニズムに置いて重要な役割を果たしている。我々は滑脳症の原因遺伝子・LIS1がモータータンパク質の細胞質ダイニンの制御因子であることを突き止めた。さらにLIS1は微小管-LIS1-細胞質ダイニンの複合体形成必要で、この複合体形成が細胞質ダイニンが微小管上を順行性に移動するのに必須であること解明した。さらにアスペルギルスで発見されたNUDCは微小管-LIS1-細胞質ダイニンの複合体がキネシンに結合する際のアダプター蛋白質として機能することを解明した。また、NUDCをsiRNAでノックダウンした場合、キネシンによる順行性の運搬が阻害されることを証明した。 これらの研究の過程で、我々はLIS1が細胞質ダイニンの順行性の運搬に携わったのちに微小管のプラス端周辺でカルパインによって分解されることを発見した。滑脳症はLIS1のヘテロの変異によって起こるハプロ不全の疾患である。我々はLIS1ノックアウトマウスをモデルとした実験からカルパイン阻害剤によるLIS1蛋白質の分解抑制がLIS1蛋白質を回復させ、LIS1のヘテロの変異にともなう神経細胞の遊走異常、細胞内における細胞質ダイニン、オルガネラの分布を回復させることを証明した。これらは蛋白質分解抑制が遺伝子疾患の新たな治療戦略として有望であることを証明するものである。
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[Journal Article] nhibition of calpain increases LIS1 and partially rescues in vivo phenotypes in Lis1 mutant mice : a potential therapy for lissencephaly.2009
Author(s)
Yamada M, Yoshida Y, Mori D, Takitoh T, Kengaku M, Satoh M, Sorimachi H, Takao K, Miyakawa T, Wynshaw-Boris A, Hirotsune S^*.
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Journal Title
Nature Medicine 15
Pages: 1202-1207
Peer Reviewed