2010 Fiscal Year Annual Research Report
Atgタンパク質の局在情報を基盤としたオートファゴソーム形成の分子機構
Publicly Offered Research
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
21025035
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 邦律 東京工業大学, フロンティア研究機構, 特任助教 (20373194)
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Keywords | オートファジー / オートファゴソーム / ATG遺伝子 / α-マンノシダーゼ / タンパク質分解 / 出芽酵母 / オルガネラ / ATG34 |
Research Abstract |
オートファジーはオートファゴソーム(以下AP)と呼ばれる,脂質二重層の二重膜により区画化されたオルガネラを介して,タンパク質やオルガネラを非選択的に液胞に輸送する細胞内分解システムである.最近になって,タンパク質やオルガネラがAPに選択的に取り込まれることが細胞の機能維持に重要であることが分かってきた. 報告者はこれまで積荷にAPへの選択性を付与する分子機構の解析を進めてきた.その結果,APの積荷タンパク質としてよく知られているアミノペプチダーゼI(以下Ape1)がAtg19を介してAPに積み込まれることを明らかにした.本年度はApe1と同様,APに選択的に取り込まれることが知られているα-マンノシダーゼ(以下Ams1)の選択的輸送機構の解析を進めた.面白いことに,Ams1はApe1と異なりatg19破壊株でも正常にAPに取り込まれた.そこでAtg19のホモログであるYol083wに注目した.Yol083w破壊株ではAms1の輸送は正常だったが,atg19との二重破壊株ではその輸送は停止した.Ams1の輸送に関しては,Atg19とYol083wが共に受容タンパク質として機能しているらしい. 昨年度はAtg19とYol083w中にあるAms1結合ドメイン(以下ABD)を同定し,それらの三次元構造を明らかにした.Atg19とYol083wのABDはどちらも似たような構造をもち,Ams1輸送に必須な残基は共通であった。本年度はこれらの結果に基づき,Yol083wをAtg34と名付け,2報の論文として発表した.
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