2010 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの新規カルシウム透過性機械刺激センサーの動作機構
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026009
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
飯田 秀利 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70124435)
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Keywords | 機械受容チャネル / 構造-機能相関 / カルシウム / 膜貫通セグメント / In vitro突然変異導入 / 植物 / シロイヌナズナ / 酵母発現系 |
Research Abstract |
シロイヌナズナのMCA1とそのパラログであるMCA2はCa^<2+>透過性の機械受容チャネル候補である。両者は、それぞれ521と516のアミノ酸残基からなり、Ca^<2+>取込み活性をもつが既知のイオンチャネルとは一切ホモロジーがない。そこで、Ca^<2+>透過に大切な領域を決めるため、それぞれのC-末端の方から系統的にアミノ酸を削っていき、どこまで削るとCa^<2+>取込み活性を失うかを検討した。その結果、MCA1はN-末端から173番目のアミノ酸残基まであればCa^<2+>取込み活性があること、MCA2はN-末端から135番目のアミノ酸残基まであればCa^<2+>取込み活性があることを見出した。この短い断片内に膜貫通領域があるかどうかを調べた結果、N-末端から11~33アミノ酸残基の領域が膜を貫通できることが示唆された。興味深いことにこの領域内にCa^<2+>透過に関係する可能性のあるAsp^<21>残基があることが分かった。そこで、このAsp^<21>残基をAsnに置換してCa^<2+>透過活性を調べたところ、この置換を受けたMCA1とMCA2はCa^<2+>透過活性をほとんど失った。この結果は、MCA1とMCA2が確かにCa^<2+>を透過させる活性をもつことを示唆するものであり、植物界の新規チャネルの発見の可能性を示唆するという意義がある。
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