2009 Fiscal Year Annual Research Report
新発見の粘度センサーの作用機構
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026010
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
広瀬 茂久 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (10134199)
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Keywords | シグナル伝達 / 受容体 / サーファクタント / 肺胞細胞 / ノックアウトマウス / マクロファージ / 生合成 |
Research Abstract |
膜7回貫通型のオーファン受容体の中でもN末端が長いという特徴を看するIg-Heptaにの機能に関する研究を行い以下の成果を得た。(1)サーファクタントの生合成とそのIg-Heptaによる調節:肺胞の上皮は約95%が扁平なI型細胞からなり,ガス交換の場となっている。残り5%を占めるのがII型細胞で,サーファクタント(表面活性物質)を合成・分泌し,I型細胞の表面を薄く覆うことによって表面張力を低下させている。私たちは既に,KOマウス(Ig-Hepta^<-/->)ではII型細胞のIg-Heptaが消失しており,これに伴いサーファクタント量が著しく増加していることを見出している。これはセンサーが無くなったために,肺胞表面を覆うサーファクタント量がモニターできず,サーファクタントを分泌し続けるためと考えられる。このことを証明するために,正常とKOマウスの腹腔内にサーファクタントの原料となる[^3H]コリンを投与し,^3H標識されたサーファクタントの量を調べたところ,KOマウスではサーファクタント脂質の生合成が亢進している事が分かった。(2)マクロファージによるサーファクタントの分解との関係:肺胞表面のサーファクタント量は,II型細胞による分泌の他に,肺胞常在性のマクロファージによる分解によっても調節されている。正常とKOマウスの肺胞洗浄液からマクロファージを単離しサーファクタントの分解能を比較したところ,差異が認められなかった。このことは,KOマウスで見られるサーファクタント量の増加は,マクロファージの活性低下によるものではないことを示しており,マクロファージにはIg-Heptaが発現していない事実とも一致する。(3)KOマウスでは肺の大きさと重量が1.3倍になっていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)