2009 Fiscal Year Annual Research Report
母体由来のタウリンがもたらす胎仔脳GABA-A受容体作用の発達的モーダルシフト
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026013
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
福田 敦夫 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 教授 (50254272)
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Keywords | クロライドトランスポーター / 皮質板細胞 / 大脳皮質 / 細胞移動 / GABA / タウリン / モーダルシフト / トニックコンダクタンス |
Research Abstract |
1. タウリンによるKCC2蛋白機能抑制の検討:[福田] 胎齢14.5日でKCC2を子宮内電気穿孔法で遺伝子導入して24時間生存させた後に胎仔脳を摘出し、2日間Neurobasal mediumで分散培養したところ、異所性KCC2発現胎仔皮質板細胞では、インビボ(胎齢17.5日)とは違い[Cl-]_iが低下していた。ついで、タウリン(3mM)を加えて分散培養した場合の、異所性KCC2発現培養細胞の[Cl-]_iは非発現細胞と同程度であり、タウリンがKCC2機能を抑制していた。GABA_A受容体阻害剤とグリシン受容体阻害剤を同時に加えて培養しても、タウリンのKCC2機能抑制に変化はなかった。ところが、タウリントランスポータ阻害剤を加えて培養すると、異所性KCC2発現培養細胞の[Cl-]_iは非発現細胞に比べて有意に低下した。すなわち、タウリンは細胞内に取り込まれてKCC2蛋白機能を抑制することが明らかとなった。 2. タウリン誘発電流ノイズとCa^<2+>振動の相関の解析:[福田、熊田、江川] トニックGABA電流は、タウリンに富むサブプレート領域で、タウリンがほとんどない脳室帯/脳室下帯に比べて有意に大きく、タウリンによるGABA_A受容体の持続刺激が示唆された。Ca^<2+>イメージングを行い、皮質板細胞の自発性Ca^<2+>振動の頻度に対してGABAは増加、タウリンは上昇と減少を惹起した。すなわち、ノイズ応答の異なるGABAとタウリンに対して自発的Ca^<2+>振動の頻度も異なる応答を示すことを見出した。Ca^<2+>振動と膜電位振動の関連性を解析するために、自発的なCa^<2+>振動を起こしている細胞に対して、Amphotericin B穿孔パッチクランプ法を適用したところ、Ca^<2+>振動に伴う脱分極性の膜電位の変化が認められた。しかし、この手法で同時記録できた細胞は10回の試行で1回と非常に効率が悪く、実験手技自体の改良が必要であると考えられた。
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Research Products
(31 results)