2009 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ温度センサーTRPチャネルの環境への適応進化と種分化における機能
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門脇 辰彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (90313973)
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Keywords | ショウジョウバエ / 温度センサーTRPチャネル / 環境 / 適応進化 / 種分化 |
Research Abstract |
ゲノムDNA配列が決定された12種のショウジョウバエは、地球上の様々な地域(北アメリカ砂漠地帯、アフリカ、およびハワイ高地等)で生息しているため、各種が好む温度(温度走性行動)も異なることが予想される。各種が生息する地域の気候への適応が温度センサーTRPチャネルの発現パターンや量の変化(cis-regulatory elementの変異による)、あるいはチャネル特性の変化(アミノ酸配列の変異による)を引き起こし、ショウジョウバエの種分化の要因の1つとなった可能性が示唆される。そこで、温度勾配を形成させたアルミブロックを用いてショウジョウバエ12種の温度走性行動を測定した。その結果、近縁の2種間(例えば、Drosophila melanogasterとsimulans)においても嗜好温度が全く異なることが明らかとなった。ショウジョウバエに温度走性行動を決定する分子基盤が存在し、これが種によって異なることを示す重要なデータである。12種の中ではD.mojavensisのみが明確な高温嗜好性(33-34℃)を示し、25-26℃の温度嗜好性を示すD.melanogasterとの比較を中心に解析を進めて行く。
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