2009 Fiscal Year Annual Research Report
筋機械痛覚過敏におけるTRPチャネルとASICチャネルのモーダルシフト
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水村 和枝 Nagoya University, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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Keywords | 筋性疼痛 / 神経成長因子 / 遅発性筋痛 / ASICs / TRPV1 / 機械痛覚過敏 / ラット / 細径線維受容器 |
Research Abstract |
温度センサーとして見つかったTRPV1,4や酸のセンサーとして見出されたASICsが、機械痛覚過敏に関わっているとの報告がある。申請者らもまた、伸張性収縮負荷による遅発性筋痛の機械痛覚過敏にTRPチャネル、ASICチャネルが関与することを明らかにした。このように、通常機械応答に関与せず別の生理機能を果たしていた分子が、組織の状態(細胞環境)が変化したために活性化されたルートによって、機械応答の増大をおこすというモーダルシフトの機構を探ることを目的として本研究を実施した。遅発性筋痛に大きな役割を果たすNGFの筋注によって機械痛覚過敏を誘発し、どの程度遅発性筋痛とメカニズムが共通であるか調べた。NGF筋注による筋機械痛覚過敏は、遅発性筋痛と同じくTRPV1拮抗薬であるcapsazepinによって減弱することが明らかになった。一方、ASICs阻害剤であるAmilorideは、遅発性筋痛とは異なりNGFによる筋機械痛覚過敏を減弱しなかったので、ASICsが関与する別の経路があると推定された。遅発性筋痛にはNGF以外にGDNFも関与していることを抗体投与によって明らかにしたので、GDNF筋注により筋機械痛覚過敏が生じることを確かめた。ノックアウトマウスを使って関与するTRPを同定するために、マウスにおける筋圧痛測定法、伸張性収縮負荷方法を検討し、筋圧痛測定にはRandall-Selitto鎮痛計の加重を半分に減らすことにより再現性良く測定でき、伸張性収縮は300回で筋機械痛覚過敏を誘発できること、その時間経過はラットより短く、2日後には回復してしまうことを見出した。この結果より、今後ノックアウトマウスを用いて実験する準備が整った。
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Research Products
(3 results)