2009 Fiscal Year Annual Research Report
フィトクロムによる植物光センシングと環境応答
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
21026018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河内 孝之 Kyoto University, 生命科学研究科, 教授 (40202056)
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Keywords | フィトクロム / 環境応答 / 光受容体 / 信号伝達 / 低温応答 / 陸上植物の環境適応 |
Research Abstract |
光合成に生存を依存し固着生活を営む植物にとって、光は最も重要な環境因子である。フィトクロムは植物固有の受容体と考えられてきたが、細菌やシアノバクテリアではその祖先的な分子が二成分制御系として利用されていることが示された。しかしながら、植物型フィトクロムはキナーゼ活性ではなく、細胞内局在と構造の変化に基づくタンパク質相互作用による信号伝達経路をもつとされている。進化的な側面と作用メカニズムの点から解析している。今年度は主として作用メカニズムに焦点をあて、フィトクロム相互作用因子として単離され、花成制御に関与するVOZ(Vascular plant One-Zinc finger、シロイヌナズナにはVOZ1、VOZ2の2分子種が存在)を中心に研究を進めた。フィトクロムシグナルにおけるVOZの機能を解明するため、VOZの細胞内局在解析を行った。機能的な細胞内局在を明らかにするため、核移行シグナル(NLS)または核搬出シグナル(NES)をVOZに融合し、vozl voz2二重変異体に導入することで、表現型の相補実験を行った。その結果、核移行シグナル株でのみvozl voz2二重変異体の遅咲きを相補したことから、VOZが核内で機能することが示された。これらのコンストラクトにはGFPも融合させていたので、GFPによる蛍光観察を行った。その結果、NESを与えたGFP-VOZタンパク質は細胞質において容易に観察されるのに対して、NLSを与えた融合タンパク質は変異表現型を相補し機能的であるにも関わらず核内への蓄積が観察されなかった。更に、GFP融合VOZ2発現株を作出し、VOZの蓄積場所を解析した。大量にVOZを発現させると主に細胞質にタンパク質が蓄積することが観察され、観察可能な分子と機能的な局在が一致しないことがわかった。つまり、VOZの作用の解析には光による局在の変化や分解を考慮する必要があることがわかった。
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[Journal Article] Evolutionarily conserved regulatory mechanisms of abscisic acid signaling in land plants : characterization of ABSCISIC ACID INSENSITIVE1-like type-2C protein phosphatase of the liverwort Marchantia polymorpha L.2010
Author(s)
Tougane, K., Komatsu, K., Bhyan, S.B., Sakata, Y., Ishizaki, K., Yamato, K.T., Kohchi, T., Takezawa, D.
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Journal Title
Plant Physiol. 152
Pages: 1529-1543
Peer Reviewed
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